物事の見方って難しいですわ。

現職厚生労働大臣の一連のニュースについて。

「産む機械」発言は、確かにその言葉自身に既に問題があり、
公の場で、責任ある職務にある人が使うべき言葉でないのは疑う点がない。
また、その言葉が真意かどうかはともかくとして、
そういう発言をする = そういう思考をしている
と捉えられるのは仕方のないことである。

しかし、一方で新聞等が取り上げるのは、
えてしてその単語だけを誇張したもので、
前後の文脈をまったく無視したものである。
それゆえに、元発言の意図するところと乖離した部分の攻撃となり、
単に騒ぎだけが大きくなりがちである。

......ああ、肩のこる書き方だな（ｗ
思わず書いてる本人が途中で寝落ちしちまったよ。
もう少し簡単に書こう。

おそらく、件の大臣殿は、出生率の低下について、
相当切羽詰ってるのでしょう。
しかし、だからといって、結婚して子供を２人以上生むのが健全という、
人生観の押し付けと受け取られかねない発言は、
やっぱりそりゃマズイでしょう。
結婚する人としない人、子供のいる人といない人に優劣をつけかねない考え方の誘導は、
国民、とりわけ女性の反感を買うこと間違いなし。
うがった見方をすれば、「いいから産め！」と言われてるようなもの。

.....それ以前に、こんな内容が国会の議論の中心になってること自体が
庶民が政治に求めるものと既にかけ離れていることの証明であり、
要するに将来に渡って税収を何とか確保するほうが
所得格差なんかよりもよっぽど大事だという、
行政のほんとうの姿勢が見えちゃった一件ですな。
税金さえ払ってくれりゃ、ビンボー人が増えたって別に構わないってことだ。

特定の言葉を切り取って、不要に煽るマスコミにも問題はもちろんあるけど、
どんなに表面上の言葉を変えたところで、
根底で考えてることが同じである限り、
やっぱり似たような言葉に聞こえちゃうのは、実に当たり前なこと。
今回のこと以外にも、自衛隊の軍隊化や、それを実現するための憲法改正とか、
そういったことを本気で強力に推し進める勢力が、
きっと日本の中枢のどこかにいるのかもしれないですね。

私自身は、結婚して子供を産まなくてはならない風潮があったり、
押し付けの愛国心が義務教育でたたきこまれる社会っていうのは、
絶対に納得できんし、来て欲しくはないねえ。
生まれてくる子供が幸せに暮らせる見通しがあってこそ、
初めて世に送り出す気になるのだし、
尊重される国家になって初めて国民に愛国心が芽生えるのであって、
年端も行かない子供達にとって、自分の国がどういう国だかまだ良くわかってないのに、
国を愛するのが当たり前って教え込むのは、そりゃ順番が違うだろと。

それにつけても、悲しいかな、持てる対抗手段は、
ひとり一票限りの投票用紙しかないことだあね。